坂井田環作 自己紹介へ

「設計回顧録」ファイルNo.017

愛知県阿久比町 S様を紹介します。


【コメント】
S様は、現場見学会に参加され私がご案内させていただいたのをきっかけに建て替をご依頼いただきました。
後日、自宅に伺うとかなり広い敷地で、既存の建物も鉄筋コンクリート造や木造家屋が数棟、また、大きい庭石が数個ありました。(内心、解体費用がかなり掛かりそうだけど予算の方は大丈夫かな?心配)
ご主人から計画の内容と総予算を伺い(少しひと安心)、帰りに阿久比町の役場の都市計画課に立ち寄り用途地域を調べに行きました。
都市計画課の担当者から「市街化調整区域です、また、開発申請が必要です。」
の一言、愕然としました。近隣を見ても家がかなり建ち並んでいましたので、まさか市街化調整区域とは思いもよりませんでした。次の日、S様にその旨を伝え開発申請の手続きに取り掛かかる事にしました、まず始めに敷地境界杭の不確定な処が多かったので、測量士に頼んで境界の確定を行い敷地測量図の作成を依頼しました。続いてRC擁壁、盛土の造成計画図や必要な書類を作成し「開発申請書」を阿久比町役場の産業課に申請しました。数日すると、担当者から「今回弊社から提出された開発申請書について県の方で許可出来ないので建替えは難しい。」との連絡が来ました。納得出来ない私とS様は役場の産業課に出向き事情を詳しく聞いた上で、何とか建て替出来る方法は無いものかと担当者に問い掛けました。
その問いに答えるべく担当者は色々な書類を引っ張り出して一生懸命調べてくれました。その時、県は冷たい態度を取りましたが、役場の人達は地域住民の生命、財産を守る使命感に燃え安心してこの町に長く住んでもらえる様に頑張っている事を感じ胸が熱くなりました。
そのお陰で何とか申請の糸口もつかめ無事許可になり順調に建替えする事が出来ました。
S様には、申請時にたびたびお忙しい処ご足労をお掛けしましたが、気持ちよく対応いただき大変感謝しております。また、点検の度に、的確なご指摘、ご教授をいただけるので、後々の参考にさせてもいただいております。

また、点検に伺いますS様これからもよろしくお願いします。

【データ】
平成15年2月完成  延べ床面積 239.97?(72.72坪)
  第1種換気+全館冷暖房システム  オール電化住宅 


         工務店が造る外断熱・「共和の家
             設計  坂井田環作

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