坂井田環作 自己紹介へ

「設計回顧録」ファイルNo.19(後編)

愛知県七宝町 M様の後編を紹介します。

【コメント】

設計は出来ていましたので、私の仕事はもっぱら構造体の施工図の作成でした。
M様の構造体に対するこだわりは徹底していました。ご夫婦との打ち合わせの時、私が「仕様書には浴室に窓が無いようですが付けなくても良いのですか」とご主人に尋ねると「浴室に窓があると後々窓の隙間から湿気が構造体に流入して構造部材に悪影響が出る恐れがあるので無いほうが良い」と言われました。傍らで奥様が「室内が暗い感じがするので窓を付けたいわ」とおっしゃっておられましたが却下されご主人の意見が優先されました。

このように全てが構造優先の家でそれは徹底していました。構造体の強度を高める為に、筋違いは全てダブル配置、その本数は百数十本程又、地震の揺れを抑えるホールダン金物も1・2階で百数十枚位使用、小屋裏は洋合掌にするなど小屋裏利用も含め強度を考慮し、建物の形状も単純な長方形でバルコニーやポーチ等の余分な跳ね出しによる地震時の変形ねじれの防止に考慮した設計になっています。

ここまでしなくてもと思いますが、見えない構造体にここまでお金を掛けることの出来る人が他にいるでしょうか、M様のその「勇気」と「こだわり」に建築にたずさわる物として敬意を表します。


また、点検に伺いますM様これからもよろしくお願いします。

『体感ハウス』のリニューアルオープン見学会
6月20日(土)・21日(日)に開催致します、是非皆様ご参加下さい。


        工務店が造る外断熱・「共和の家
             設計  坂井田環作

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