坂井田環作 自己紹介へ

長期優良住宅と構造

2010/04/20(火) 日々の事坂井田環作

今年度から弊社も長期優良住宅の建築に向けて、長期優良住宅に適合した構造計算ソフトを導入して取り組みを始めました。

その計算の結果を分析して私が感じた事は、「荷重を受ける梁は極端に大きく、逆に余り荷重を受けない梁は極端に小さい」ということです。たとえば、1階に間仕切りが無く2階の間仕切りが載っている箇所の梁は、屋根や間仕切りの荷重を受ける為、自動処理をした場合は、梁の掛け方にもよりますが梁背が60cm近くなり規格寸法では対応できず特注品になる場合があります。また逆に2階の床の荷重を受けるだけの梁は、梁背も小さく柱と同寸法程度の物でOKになり、見た目でも大小の比が大きくアンバランスで安心感が得られないと思います。

低価格住宅を手掛ける大手住宅業者などは、構造計算をすると梁背の大きい部材も出来ますが本数も少なく、全体からすると使用部材が小さくなり、木材の体積が減って結果的にコストダウンを図ることが出来る為、積極的に長期優良住宅を薦める訳だなと私は思います。

しかし、構造見学会でもお客様から「こんな大きな梁を使用している現場は見たことが無い」と言われるように、構造部材の大きさを売りにしてきた弊社としては、幾ら構造計算から算出された部材寸法としても細い部材は極力使用したくありません。(長期優良住宅にした為、返って構造体が貧弱になる・・これって変じゃないですか?)
今までの経験値を参考に梁背の入れ替えを行い、再度構造計算し直す作業を進めて行こうと思っています。

緑区のS様には、大変ご迷惑をお掛けしていますが、急いで構造部材の入れ替えを行っています、もうしばらくお時間を下さい、よろしくお願いします。

                工務店が造る外断熱「共和の家
                   (設計  坂井田環作)

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