年度末になって、28年度の色々な政策や補助事業が案として、少しずつ概要が出てきました。
私が注目しているのは、経済産業省資源エネルギー庁が予定しています、『平成28年度「住宅・ビルの革新的省エネルギー技術導入促進事業費補助金ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)支援事業」』です。
つい先日、案として概要が出ました。(※平成28年度予算の成立が大前提)
概要の一部を紹介しますと、
①登録されたZEHビルダーが建築する
②決められた基準をクリアーする
③補助金額は、125万円
④性能及び設計一次エネルギー消費量の削減率が高いものを優先的に採択する(基準をクリアした住宅すべて採択される訳では無い)
この事業、今年度も補正予算を使った枠であったのですが、28年度の予算計上は大幅にアップされており、国の本気度が伺えます。
国としては、2020年までに全ての新築住宅の省エネ基準を「平成25年基準」にする目標を掲げており、恐らく2020年まで続く事業ではないかと思います。
また、これからの住宅は必ずこの流れになっていきます。
国の意図としては、「これからは、性能の悪い住宅は建てさせない」と言う事でしょう。
ただ、我々から見ると、この「平成25年基準」も大して高いハードルでは無くて、それなりに断熱材を入れて、そこそこ性能の良いサッシを採用し、高効率なヒートポンプを使用したエアコンや給湯器を採用すればクリアできます。
ローコスト住宅で、とにかく安く建てる住宅は大変かも知れませんが...
共和ではこの支援事業に取り組む為に、建物の性能や仕様を特に変える必要は無いですが、申請に必要な設計一次エネルギーの計算や進め方等に間違いが無いか、現在準備をしています。
今後の住宅は「国の省エネ路線」で大きく変わって行きますし、家の性能が以前より数値化されやすくなりますし、ハウスメーカーを始め住宅会社で数値合戦になることも考えられます。
ただひとつ、私が気掛かりなのは、「換気」についてです。
この省エネ基準には「換気」も要素として入っていますが、あくまで省エネを基準にしている為、換気装置のモーターの省エネ性だけで、「空気のキレイさ」や「住み心地」は考慮されていません。
場合によっては、基準をクリアーしていても住み心地の悪い、息苦しい家になってしまう事が起こりうる可能性もあります。
数値ばかりを気にしすぎると、思わぬ落とし穴があるかも知れません。
「住み心地いちばん 涼温な家」
大河内建詞