坂井田環作 自己紹介へ

「設計回顧録」ファイルNo.013

愛知県名古屋市 A様を紹介します。

【コメント】
A様は、弊社の完成や構造見学会に毎回参加されるとても研究熱心な方でした。ある構造見学会の時に私がご案内させていただいたのをきっかけに打合せをさせていただく事になりました。伺うと前から土地を探されていたとの事で「やっと見つかった、これで共和さんにいい家が造ってもらえる」と喜んでおっしゃっておられました。大変うれしかったと同時に責任の重さを感じ一生懸命いい家を造ろうと思いました。

後日、連絡があり建築地で待ち合わせをしました。土地を拝見した後、帰りにコメダ喫茶店で休憩をする事になり雑談をしていると突然間取りの話になり、何のメモ用紙も用意していなかったので、店員さんにメモを貰ってスケッチを書きました。すると「これでいい、間取りはこれだ」と一言いわれました。「ちょっと待って下さい、もっと良く考えましょう」と私が言うと、「これが気に入った私の理想の間取りだ」とまた一言。(よほど気に入った様でした。)
メモを持ち帰って次の日、間取り図の作成にかかりましたが、咄嗟に出た案ではありましたが今見ても良く出来ていると思います。

今年で住まわれてから7年を迎えられますが、点検に伺う度に「間取りに不自由な点等はございませんか」と尋ねても「何もない間取りも含め住み心地の良いいい家だよ」と言っていただけます。

間取りの確定は時間ではないように感じます。A様が長年弊社の見学会に参加され頭の中で暖めてこられたものがイメージとして固まり、私のたまたま作成した間取りと一致した結果だと思います。
今まで長年に渡り、間取りの確定の道のりを見てみると、最短で3ケ月、長いと半年から1年位(例外2年)掛ける場合が多いように思います。中には間取りの変更のし過ぎにより前回の打合せを忘れ、堂々巡りし、何がなんだか解らなくなっておられる方も見えます。解らなくも無いですが、他人の目や本、雑誌、チラシ等に余り惑わされること無く、自分の家に相応しいかしっかりとした判断をし、それと住みたい家のイメージを強く持って、自分で決断をしていただく事が大切だと思います。
これからも、皆様の少しでもお役に立てるアドバイスが出来るように努力と勉強をしていきたいと思っております。


また、点検に伺いますA様これからもよろしくお願いします。

【データ】
平成14年1月完成  延べ床面積 104.52?(31.68坪)
  第1種換気  オール電化


         工務店が造る外断熱・「共和の家」
             設計  坂井田環作

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